5.農貿市場
 ノンマオ シージャンと発音します。今から10年前はこの市場が上海市民の生活の中心でした。生鮮食料品、日用雑貨、大きい市場は床屋、裁縫屋、洋服屋、鋳掛け屋などなど小店が周囲を取り囲む状況でした。大小合わせ2000箇所以上の市場が存在していましたが、今は1000箇所程度といわれています。1996年に初めて日系資本のコンビニストアが進出しました。現在では、3500店舗のコンビニ(便利店、または、方便店といわれます)と1800店のスーパー(超市)と70店舗の大型ショッピングストア、ハイパーストア(売場面積8000㎡以上)が存在します。この近代流通の展開の加速に半比例して、農貿市場の数は次第に減って参りました。
現在の上海人は、農貿市場で生鮮食料品を購入し、調味料、トイレタリーなど日用品はハイパーストアやスーパーで購入し、使い分けをし始めました。それぞれの機能で棲み分けが行われている状況です。
ただし、油断はできません。大手ストアは、農貿市場で生鮮食料品を購入する人たちも取り込もうと躍起です。住民がたくさん住むアパートには15分置きに、店を結ぶ無料バスを走らせます。はじめは、大型ストアを敬遠していた年配の上海人もバスの便利さに惹かれ、暑いときには涼みに、寒いときには暖を取りに、バスに乗るようにもなりました。最近では、買い物もするようになってきましたので、高い年齢の人の取り込みは少しづつ成功しているのでしょう。
農貿市場の楽しみは、買い手と売り手の駆け引きが通じるところです。売り手の言い値で買うことはまずありません。買い手の目利きが求められます。日銭商売ですので、売れ残りそうな野菜は何とか売りつけようとしますので、ここが勝負のしどころです。
何度も通う頃にはなじみの店ができ、おまけがつき値引き幅も大きくなるのは、上海の市場も同じです。
ただ、日本の市場と一番違うところは、鶏、鵞鳥、アヒルを生きたまま売っていることでしょうか。これだと思った鳥を指差すと両羽を掴んで腹を見せてくれます。鶏を購入する場合のポイントは、腹がよく肥えていること(押して確かめます)餌をよく食べていたことを証明する太く硬いくちばし、病気ではないことを示す綺麗な目だそうですが、この3つで選びます。商談が決まると、早速首に鋏を入れ血抜きをします。次に湯に漬け込んで羽を抜けやすくします。仕上げに洗濯機のような機械に入れ3分。すっかり羽の取れた鶏が出てまいります。鶏の頭は出汁がよく出ますが、スープを煮出すときの鶏の頭にはどうも抵抗があり拙宅では使用致しません。
上海人が何を食べているのか知るのは農貿市場が一番でしょう。日本から来るお客さんで食べ物と料理に関心のある人はこの市場に連れてゆきます。200円あれば、トマト
であれば2.5キロ、豚肉600g、ホウレン草3キロ、東北米3キロ、レンコン1キロ、みかん2.5キロ、マッシュルーム1キロ買えます。そんなに買ってどうするのと太太(タイタイ)が言います。 
 
値段交渉が決め手 野菜は農貿易市場
 
  肉も農貿市場
在上海見! 

太太:中国語で奥さんの意。いずこも同じかと妙に感心してしまう言葉。


白酒大王(中国語名:バイジューダーワン) 略歴

広東省広州市に3年住み、現在は上海在住。怪しげな中国語を操りながら、ガイドブックには決して載らない、市場や路地裏探訪をなによりも好む。大食い。甑岳聖海師と小学生時代に机を並べたと言われる。