真言密教―信仰、修行への道(河原龍靖)
 
第9部 神道系統、驚異の癒しの力
私が小学5年生のとき、当時山口県宇部市に、住んでおりました。
ある日、叔母(叔母は4歳の時、小児麻痺を患い、左手は、いつもしっかり握り締めた状態で、手の色も白く、血流が悪いのが一目で、子供心にもわかりました。又左足の麻痺で、歩行は困難でした。)が興奮して私に隣町の小学校に神様のような凄い方が、来られている。私を連れていってちょうだいと、頼まれバスで、隣町の小学校の講堂に、叔母の手を引いて行きました。講堂は、人でほぼ満員、しかし、奇異に感じたことは半数以上の人が、担架に寝ていたり、車椅子の人達でした。
やがて教祖さんの略歴の説明があり、壇上に教祖さんが現れ、服装は黒一色の質疎な身なりで、貴方方は、神様を信じなさいのお言葉だけであったと、記憶しております。やがて壇から降りられ、人々の間を手を広げて歩かれますと、あちこちの人々の間から、喜びの泣き声が聞こえ私は、不思議に思い立ち上がりました。すると小児麻痺で歩けなかった子供が、よたよたと歩いて、教祖さんの手につかまり、その親は声をあげて泣き、やがて、叔母の近くに来られますと、叔母が突然声を上げて泣き始めたのです。
左手が開くと、おどろきました。いつも硬く握りしめている左手が、赤く見える程に血流が見られ、左手を開いたり、閉じたり、自分の意志でしていたのです。
私も、子供心にただただ、驚きの体験で66歳になる今日でも、当時の生生しい光景は、忘れることは出来ません。後にキリスト教聖書に(イエスキリストの癒し)奇跡の場面も、このようであつたのではと、素直に信じられました。
其の後叔母の左手は硬く握りしめていた頃より、随分改善されていました。

教祖さんが神道系統の方である、ことは(コウドウゼンリンカイ)と名のっていたことによる記憶によります。この体験から私は後に密教を志しても、宗教の持つ、癒しについて異常なほどの熱意を持って、努力するようになった、原因の一つです。