いろはにホ~ラ(2)『本山流と彦山譜』

 本山派(聖護院)の立螺は乙と甲の二音を基本としています。更にその上の高音も多用する当山派(醍醐)と比べ、音の高低の差異が明白である事、そして三音、五音という音を立てる場合、音を切らずに、返しを連続させ音数の数だけ繰り返す特徴があります。
  「彦山譜」を以って本山流の法螺としていますが、彦山において昔からの法螺を直伝として伝えている修験者は誰もおりません。ですから、この立螺が本当に彦山に伝わるものであったのか、また彦山に出入りしていた本山派の行者が昔からこの立螺作法を用いていたのか明言することは出来ません。しかし、この彦山譜が存在しなければ、本山流(聖護院)の立螺も今日に伝わらなかった事も事実です。
 ともあれ、聖護院の立螺もこの彦山譜を元にしています。序音、正宗音、流通音からなります。「彦山譜」と「本山流(聖護院)」は、正宗音の部分はほぼ同じですが、序音および流通音は異なっています。正宗音部分の微妙な差異や、序音、流通音などの違いは、戦後、聖護院が独立した事に起因する事は間違いありません。特徴的な相違点としては、彦山譜の序音と流通音には、「マクリ」と呼ばれる独特の吹き方があります。これは音を急速に吹き上げ、息を切る様に止めるモノで、譜に表すと、音が捲くれ上がったようになる事から、その呼び名があります。このマクリの習得は容易に出来るものではありません。

■聖護院流説法
 http://www.go-kito.com/hora/hora2-001.wma

■彦山譜除魔
 http://www.go-kito.com/hora/hora2-019.wma